福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2013年12月30日 (月)

映画とジュエリー 2&時事とムダ知識 3 年末合併~47RONIN

本年も残すところあとわずかとなりました。

皆様のおかげで無事に2013年を終えることができそうです。

2014年も日々精進を重ね、皆様にご満足いただけるサービスの追求に邁進致します。

何卒、よろしくお願い申しあげます。

さて、今年最後のジュエリーネタとムダ知識ですが「47RONIN」ですsign03

年の瀬です、年末超大作時代劇になるものの一つ、忠臣蔵を基に描かれた作品。

超絶赤字・大コケ映画と言われていますが、アメリカンエンターテイメントと忠臣蔵・赤穂浪士を上手く描いた作品だ、と私は感じました。

また、外国人は日本のことをこんな風に思っていた、こんな風に見えていたのではないだろうか、そんな視点から観ると非常に面白い作品でございます。確かにドラゴンが出てきたり、妖術使いや天狗が出てきたりとかなり荒唐無稽過ぎる感は否めませんが。

映画『47RONIN』予告編
YouTube: 映画『47RONIN』予告編

※ここからは映画のネタばれが含まれております。ご注意ください!

キアヌ・リーブス演じる魁(カイ)が終始大事に持っている、柴崎コウ(ミカ姫)から受け取った折り鶴型の小さな飾り。

これは二人が幼少時代、ミカ姫の簪の一部分が落ちたものを拾い上げ、それをそのまま魁に渡されたものです。既に二人の恋は始まっているわけですが…。

さて、簪です。

もっとも色々な種類の簪が作られたのは江戸後期だそうです。

素材としては、漆を塗った木(つげ、桐、朴、桜など)、金や銀をめっきした金属、鼈甲(べっこう)、象牙(ぞうげ)、絹のような広範囲にわたる材料が使用され、飾り部分にはサンゴ、瑪瑙(めのう)、翡翠(ひすい)、水晶なども用いられたとのことです。

簪の形状も様々なものがありまして、平打簪・玉簪・チリカン・ビラカン・松葉簪・吉丁・びらびら簪et cetera…。

ミカ姫が魁にあげた時に身に着けていた簪は、びらびら簪というもののようです。

びらびら簪とは:江戸時代に登場した未婚女性向けの簪で、本体から鎖が何本も下がっており、その先に蝶や鳥などの飾り物が下がっている派手なもの。裕福な商人の娘などが使ったもので、既婚者や婚約を済ませたものは身に付けない。

この解説からすると何本も下がっている鎖の先端についていた折り鶴の飾りを魁に渡したのだな、と。

日本は他国とちがい、鉱石の産出が極めて少ないため、飾り部分に用いられる石も地味に感じてしまいます。

ですが、精密な加工技術は大変素晴らしものが沢山あります。

簪は英語でhair slide、Hair stickと訳されますが、日本の伝統的装飾具であるため英: Kanzashiでも通用するそうです。

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また、簪の先端が「耳かき」のような形状のものがありますが、実際に耳かきとして作られていたそうです。これには驚きました!

ここにも深い理由がありまして「贅沢を禁止したお触れが度々発令され、かんざしに耳かきを付けることで贅沢品の取締りから逃れる為」とのこと。

言い訳としてはちょっとつらい気もしますが、まあそれで逃れられるなら耳かき型にしますよね?

簪の話から少しずれてしまいましたが、映画のお話に戻ります。

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そもそも忠臣蔵です。

彼らの恋がハッピーエンドに終わる訳はなく…。いや、ある意味ハッピーエンドなのかもしれません。それは捉え方次第でしょう。

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日本の武士道・侍スピリッツ、忠義、礼節という観点では大変忠実に描かれているのではないか、と思います。日本の美しい情景とアメリカらしい善悪を明確に視覚・映像として表現する妙技。

昔ながらの時代劇で忠臣蔵を観ることに抵抗がある方にはお勧め致します。

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