福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2015年7月27日 (月)

美術品とジュエリー 2~美の巨人たち ミュシャ&ラリック「舞台用冠ユリ」

私のブログに何度も登場する番組は決まっておりまして、今回は「美の巨人たち」です。
今回も例に漏れず母が「今日はミュシャだから見ないとでしょ?m9っ`Д´) ビシッ!!」と、まるで林先生のように畳みかけられました。

はい、私は何を隠そう「アールヌーヴォーの巨匠、アルフォンス・ミュシャ」が大好きなのですヾ(*´∀`*)ノキャッキャ

出会ったのは小学生の時分、忘れもしない地元の石橋美術館で開かれていた「ミュシャ展」あの衝撃は今でも覚えています…ヨカターヨ・゚・(ノД`)・゚・

それからミュシャの持つ独特の女性の感じや雰囲気を描くことが夢でした。母方の祖父は大変絵が上手かったので多少才能を引き継いでいないかと、今考えれば図々しい極みですが、それが高じて短大は美術系専門のところへ通わせてもらいました。夢はあくまで夢でございます(;´∀`)

そもそもアールヌーヴォーとは、19世紀~20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動で、新しい芸術を意味し、花は植物などの有機的なモチーフ・自由曲線の組み合わせによる従来の様式にとらわれない装飾性や鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴。分野としては建築、工芸品、グラフィックデザインなど多岐にわたった。(ウィキペディアより)

要するに私のツボに入る物満載なのです。植物や曲線美、グラフィックアートにおいては中央に女性を据えて描かれるものが多いですね。

今回はこのアールヌーヴォーの二代有名人の夢のコラボレーションなわけでありますヽ(*´∀`)ノ キャッホーイ!!

美の巨人たち

まずはこの二人が出会うきっかけになった人が、「サラ・ベルナール」当時の舞台女優さんで大変有名な方でした。彼女の舞台衣装をラリックが、ポスターをミュシャが手掛けていたのです。

彼女とミュシャの出会いも偶然で、まだミュシャが有名になる前、たまたまクリスマスイブにいつもの印刷工場で一人で仕事をしているところ、担当の画家が居ないからと白羽の矢が立ち、ミュシャが作ったポスターを一目でサラが気に入ったところから始まります。もちろんサラだけでなく、パリで大好評を博したとのこと。そのポスターがこれです。

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※ウィキペディアのミュシャより

「遠国の姫君」という演目の舞台、「ジスモンダ」というポスターです。

出会いも偶然ですが、この出会いが彼に一夜で不動の地位を築かせたといえます。さて、このポスターの冠をご覧ください。この冠をラリックが作り上げるのです。

女性を表すのにミュシャが選んだのがユリ。純潔を表すユリはミュシャの作品にはたくさん描かれてます。

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※美の巨人たちより

これは箱根のラリック美術館に存在していました。この実物が存在したことが奇跡だったようです。まさか日本にあるとは、でした。

この冠、金属はブリキでできており、散りばめられた宝石たちは全てガラスと模造パールです!エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ? これがガラスの魔術師ラリックの妙技です!

当時の宝飾品はやはりダイヤモンドなどの貴石、特にダイヤモンドをに集中していたそうで、宝飾工の仕事はこれらを飾るための枠にを作ることであったようですが、アールヌーヴォーの到来で芸術的なデザインの概念が生まれ、嵌め込まれる宝石にはもはや装身具の中核的な重要性を置かない新しいタイプの宝飾が現れることとなり、その中心となったのが宝飾工でありガラス職人であったルネ・ラリックであったそうです。(ウィキペディアより)

サラはこの冠は生きているといったようです。

このユリの花弁の翻るような繊細な湾曲部分やおしべ、軽くするために真珠の裏はきれいにくりぬかれ、ほぼ、囲む枠だけの作りです。そして少しずつグラデーション状に大きさを変えるパール。これをブリキとガラスで作るとはラリックの腕と技に言葉を失います(*´Д`*)

サラのために作り上げる作品たち。ミュシャとラリックは同じ年に生まれ、よきライバルだったのでしょう。

ミュシャはたくさんのポスターを描き、ラリックはたくさんの舞台装飾品を作りました。ですが、コラボレーションされたのはこの1作品のみだそうです。

素晴らしい二人のコラボレーション。そして彼らを見出したサラ・ベルナールの奇跡的な出会い、これに勝るものはありません。偶然はやはり必然なのでしょう。

さて、私がとても好きなミュシャの作品は「朝、昼、夕、夜」です。

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ミュシャの作品は4作品で1つ、というものがいくつかありますが、その中でもこれが一番好きです。

ジュエリーとして好きなものはこちら。

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蛇のブレスレットと指輪。残念ながら、これはラリックの作品ではないんですよね。

しかし、この影響でしょうか?ブレスレットからリングにつながるアクセサリーに興味を持ち、蛇のモチーフが大好きになりました。

これ、買えるわけも同じようなものが手に入るわけではないので、あくまで私の夢のようなものでしょうか…えぇ、でも欲しいんです、欲しいんですよ、奥さん!(*´Д`)ハァハァ

真面目な話にもどりますが、アールヌーヴォーの技法にエナメルも含まれます。このエナメル、今は「マリエラ」と「中嶋邦夫先生」の作品に見ることができます。

どちらも100年以上受け継ぐことができ、修理も可能。自然の植物をデッサンし、デザインを起こし作られています。

当店にも時折出てくるこの2大ブランド、いつかは手に入れたい逸品です。

私の欲求と夢だけが広がったブログですが(いつものことですね…(;´∀`))少しでもアールヌーヴォー時代の良さが伝わればーと思います。

そして、いつの日か「これ買いましてん!!」とご報告ができますように…( ・∀・)アヒャ

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