福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2016年8月31日 (水)

時事とムダ知識 17~SAPEUR サプール

皆様こんばんは´ω`)ノ

気が付けば、いつもの通りの月末です。もはや意図的です。
そして迂闊にも知り合った方に会社名を名乗ってしまい、これを読まれるという恐ろしい事態にワナワナしている今日この頃、いかがお過ごしですか?

今月はこれをネタにしようと心に決めていたのに、ちょっと日が経つと「あれ?何を書くつもりだったかな?(;´∀`)」なんて恐ろしいことを思っていたこともありました。
でもご安心ください(゚∀゚)アヒャちゃんと思いだしましたょっ!

今月はこれです「SAPEUR サプール」!!!

少し前にFACEBOOKの記事に上がっていたので知っていたのですが、SAPEUR サプールとはコンゴに住むの世界一オシャレな男たちなのです(ΦωΦ)フフフ…

正確に解説すると、サップ(SAPE)とはフランス語のSociété des ambianceurs et des personnes élégantes(日本語訳は「おしゃれで優雅な紳士協会」や「エレガントで愉快な仲間たちの会」などいくつかの訳がある)の頭文字をとったもので、一年中気温30度を越す常夏の両コンゴにおいて1950年代から1960年代のパリ紳士の盛装に身を包み、街中を闊歩するスタイルのことである。
サップを楽しむ人々はサペー、またはサプール(Sapeur)と呼ばれる。
※Wikipediaより

月収3万円くらいのコンゴでイヴサンローラン、ヨウジヤマモト、ケンゾー、ディオールなどなどハイブランドの洋服に何ヶ月分もの給料をつぎ込んでお洒落をしているのです。
しかも彼らは見た目だけではなく、教養も備えてなくてはならず、流暢なフランス語を話せ、何よりも強い倫理観を持たねばならぬ、だから中途半端な見かけ倒しのメッキではないのです。

コーディネートもただ適当にお洒落を楽しめばいいのではなく、ちゃんとルールがあるのです。
ヴィヴィッドなカラーの組み合わせのようにみえますが「3色以内でコーディネート」や「シャツは白」。重要なアイテムである革靴は「白いスーツの時は黒い革靴」では「黒いスーツの時は白い革靴」と思いきやそれは禁忌なのだそうで、どこまでも奥が深いのです。

そしてその革靴の最高峰はヘビ革やトカゲ革。そうなると1足65万円くらいするわけです。それもコンゴでは普通に販売されており、どのように支払うかというと月賦制。
その月賦制も日本とは逆で支払いが完了しないと商品を受け取れないシステム。その際のコツとしては支払いが終わるまでに潰れない店かどうかを吟味することだそう。
支払ってる途中で店が潰れたら全く持って洒落にならんです…(`;ω;´)

そこまでしてお洒落をするのはなぜかな?と思っていたところに彼らが岩田屋に来るという記事を見付けまして、会いに行ってきましたヽ(*´∀`)ノ キャッホーイ!!

サプールに魅せられた写真家の「茶野邦雄氏」とサプールの人々を招いてのイベントが日本の百貨店で開催されたのです♪

こちらの記事をご参照ください。
あの世界一オシャレな紳士集団「サプール」が来日!なぜ日本に来たかというと…

岩田屋さんの記事はこちら

アフリカ・コンゴのおしゃれ紳士軍団、“サプール”が岩田屋にやってくる!

7月30日と31日のイベントでタイミング良く31日の日曜日に行くことができました。

トークイベントの前には岩田屋の広場、炎天下で彼ら特有のダンスステップをサプライズでお披露目してくれていましたが、私は微かにしか見ることができませんでした。
トークショーの司会は福岡で有名なパーソナリティーの深町健二郎さん。
写真家の茶野さんがサプールについて軽く説明をしてくださり、そこからサプールが登場。
1人ずつステップを踏みながら茶野さんが自己紹介をしてくださいます。
しかし、無料のイベント。さすがに人が多いこと多いこと(;´∀`)

写真も動画も撮り放題。そして彼らがフロアを歩き回るので一緒に撮影も良いですよ~とのこと!夢のような企画です☆キタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!
がしかし、私1人で行っていたので写真を撮ってくれる人がおらず…(´;ω;`)

その代わり写真集を買うと茶野さんのサインと全員で記念撮影ができるとのことで写真集を買おうとするも写真集がない!ないけど、あとから出てきた最後の1冊を握りしめ飛行機の時間に追われる彼らと一緒に撮影することができました。

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写真向かって一番右の方は大サプールと呼ばれる「ムイエンゴ・ダニエル」通称セヴランさん。彼は現在60歳。料理上手な奥様と4人の子供に恵まれています。

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彼が大サプールと呼ばれる所以は2度目の内戦が勃発した際、森へ逃げる民衆を横目にセブランさんは自宅の庭に大きな穴を掘り、内戦の混乱の最中、略奪に合わないようスーツや靴、ベルト、アクセサリーをシーツにくるんでその穴に埋めサプールの命を避難させたそうです。直ぐに戻ってこれるはずだからこれで大丈夫だと多くの民衆と一緒に森の中に逃げたのですが、3日くらいで自宅に戻れると思っていたのが3ヶ月~1年と過ぎ去りやっと自宅に戻れることになり、真っ先にサプールの命を穴から掘り起こしたところ、全てのアイテムはボロボロになっていた。

そこからその庭はサプールの魂、洋服たちの墓場と呼ばれるようになったそうです。

サプールはみんなのヒーローで憧れ。
サプールは決して戦わず、「武器を捨て、エレガントな装いをしよう」と教えてくれます。
結局、戦争は何も生まない。哀しみや怒りのマイナスだけを生み落とす。

最初に語ったサプールでいるために必要な何よりも強い倫理観とは、サプールの信念に「徹底した非戦の精神、平和主義、人々に尊厳をもって接する、悪を拒絶し、美を受け入れることといった思想も徹底して継承される」とあります。
セヴランさんは身をもってこれを体験し、そしてサプールとしての使命を再認識することに繋がったそうです。
「軍靴を響かせて行進することではなく、ブランドスーツを着て軽やかにステップを踏むことこそ、平和の尊さ、サプールの喜びなのです」と写真集で語っていらっしゃいました。

彼らがいつもこの格好でいるわけではなく、お洒落をする日が終わってしまえば翌日からは生活に必要な水を汲みにいったりと質素な生活に戻ります。

でも茶野さんは語りました!「あるサプールの家に行ったら屋根に穴が開いてて雨漏りがしているんだよ。直さないのかと聞いたら、そのお金は洋服に回したいから直さなくていいんだって!」と、なかなか愉快です。

コンゴは炎天下。そんな暑い中でこれだけびっしりとスーツ、ネクタイに身を包み暑がる仕草も見せない彼らはなんてエレガントなのだと感嘆します。

彼らを知ると本当のお洒落ってなんだっけ、と考えさせられ教えられました。

日本は恵まれています。なのにくだらないことに苛立ったり、悲しんだり、小さな世界で生きているように思えます。こんなになんでも揃ってるのに心は満たされていないのだとも思えました。

お洒落はただ流行りを取り入れれば、カッコよく着れたらばよいわけではないのです。そこには内に秘めたる強い信念があるから、滲み出るものがあるからこそ素敵なのですね。

今回はタイミング良くイベントを知り、行くことができて本当にラッキーだったと思いました。これもご縁だなーとしみじみ。

ちなみにみんなで一緒に撮った画像で私のお隣の一番若いデザイナーのサプールさんは、私の夏着物が珍しかったのか自撮りに夢中でした…カメラの方を向いてよぅ( ;∀;)でもありがたや。

皆様もご興味がありましたら是非茶野さんの写真集を買ってみてください。
どの写真も素敵で人生観も変わります。

Dsc_1876

今日は思ったより真面目に〆ることができました。

また彼らに会う機会がやってくれば良いなと思います。