福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2016年9月30日 (金)

時事とムダ知識 18~シン・ゴジラ

月末、しかも最終日に書くのがデフォルトになってしまった私ですyoァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
相変わらずの平常運転よしだです。

最近は時事と無駄知識ばっかりですね?とかいう突っ込みはなしでお願いします(#・∀・)ムカッ!!
だっていろいろな企画が浮上しているからですキャッキャ(*´∀`) (´∀`*)ウフフ
それまで楽しみにお待ちくださいね~ん( ´`ω´) ンフ

さて、ということで今回はもちろん「シン・ゴジラ」ですよ!!

もちろんってなにさ?Σ(´Д` )
とお思いですよね?いやーわたし全く観に行く気ナッツシングだったのです。
何しろ「邦画に金は落とさない主義だっ!」なので(; ・`ω・´)
そんな私に「これは日本の災害時の対策はこうしているのが如実に表れている」と暑苦しく語られても全く面白さが伝わることなく、とうとう「わしが奢るから行こう」となかば強制的に相方に連れて行かれるはめに…。
お察しの良い皆様は観終わった後に「すみませんでした…(m´・ω・`)m ゴメン…」と謝る羽目になったことは言うまでもなく。

いや、これ本当に実際に観ないと面白さは伝わらないと思います…ですがあえてブログに記載しますよっΨ(`∀´)Ψケケケ

※ここから映画のネタばれが含まれますのでお気をつけください。

何に一番驚くかといえば、エンドロール最後の「野村萬斎」だと思います。
えっ?どこに??となりますが、ゴジラさんの中身です。
否、中身というと語弊がありますね。ゴジラさんの動きですね。
なので家族も私の「いいっ!(・∀・)」から観に行ったわけですが、祖母は「あの大きな中に野村萬斎さんが入っとるとね?」と言いました。
はい、そんなわけないっすね。
今はモーションキャプチャの時代でございますよってに、でっかい着ぐるみを着なくても特殊装置を付けて動きを読み込ませ、CGで肉付けすればできるわけです。
ま、89歳の祖母は知らんで当然ですな(;´∀`)

他のキャストもまあ豪華絢爛でしたね。
主人公、矢口蘭堂役の長谷川博己→誰?ってなりましたけど演技も英語も素晴らしかった
その先輩的な竹之内豊
米国大統領特使の石原さとみ

もちろん内閣総理大臣役の大杉連と平泉成なんてもうはまり役でした。(なんで総理大臣2人?とお思いでしょうが、敢えて説明しませんょ)
個人的には主人公と防衛大臣役の余貴美子、巨大不明生物災害対策本部(巨災対)メンバーの津田寛治と高橋一生が大好きでした。
あと、石原さとみがねすごかったんですよ。私好きではなかったのですけど、これ石原さとみやったんやね?と後から思う役作りでした。詳細はのちほど。

総監督・脚本は庵野秀明
エヴァンゲリオンの庵野監督なもので、エヴァとか全く観てないけどなーとか思いましたけど、これもう素晴らしい出来ですよ。

まずシンは何の意味?から入ります。
どうやら「新」と「真」と「神」の意味が込められているようです。

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シン・ゴジラ|東宝WEB SITEより

ゴジラさんの手ですが、下を向いておらず上を向いています。
コレ結構物議を醸していたようです。
いろいろ調べてみると、庵野監督が「シン・ゴジラが手のひらが上向きなのは両手で何かを持ってるという事を表現してるそうです」で、野村萬斎さんのアイデアだそう。
狂言での鬼の表現説があったのでそのあたりもこめられているのでしょう。
他では「玉を持っている」説を相方から聞きまして、妙に納得したのです。神だからね。

ゴジラファンを裏切らない、人間のエゴから生まれたゴジラさんは旧作と変わらずです。音楽もいつものヤツがしっかりイメージを崩すことなく非常に効果的に使われています。(すみません、観てないけど)
ただ、破壊力は桁違いかも。

ゴジラさんの登場も早かったですね。海底で爆発があり、その原因を調べると早速尻尾が出てくる。
それまでは原因不明の災害事故が起こり、原因の追求と確認と対策を迫られている日本政府ですが、よくわからない長い会議とか、原因がわからないから「○○ってことでいいんじゃない?」「いや、○○はおかしいから○○で」とか大臣たちの適当なやり取りが日本のお偉いさん達は実際のとこ、こうやって決めてるんだろーなー( ´,_ゝ`)プッって思える、むしろ会議盗み見したんじゃ?って程でしたよ。
会議の途中で「以下、中略」ってテロップ入るくらいでしたしね。
日本で大きな災害が起こった時の日本政府の対応の遅さを風刺しているような表現も傑作でした。

ゴジラさんは第一形態~第四形態と4回進化します。
最初はおたまじゃくし風、おたまじゃくしから後ろ足生えた風、手が生えて直立歩行する、最後に出来上がったゴジラさん。
これも新しいです。一番好きなのは第二形態の通称蒲田くん。蒲田に上陸したのであだ名が「蒲田君」です。
蒲田君の形状は深海生物のラブカに似てます。海底から上がってきたから、なるほどよく作られてるなと思いました。

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※ラブカ検索画像より

主人公、矢口蘭堂の名言が熱くていいんです。いや、みなさん名言だらけです。

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※矢口蘭堂検索画像より

みんな日本を守るために命を捨てて戦っているんですよ。これはある意味戦争映画といっても過言ではない!

私の大好きな余貴美子さん演じる防衛大臣が自衛隊に総攻撃を総理大臣に許可を迫るシーンとかもカッコよかったです。

ここからは私の好きだった名言と感想。

ゴジラさんに自衛隊が総攻撃をしかけますが、傷一つ付かない…。
全く歯が立たず、撤退する時の自衛隊タバ戦闘団長役のピエール瀧のセリフが泣かせます。「気落ちは不要、国民を守るのが我々の仕事だ。攻撃だけが華じゃない。住民の避難を急がせろ。」
攻撃だけが華じゃない、なんてなんて深いんだ!!

矢口蘭堂率いる巨大不明生物災害対策本部(巨災対)が発足した際に矢口蘭堂は言います。
「巨災対事務局長の矢口だ。本対策室の中ではどう動いても人事査定に影響はない。なので、役職・年次・省庁間の縦割りを気にせず、ここでは自由に発言してほしい。」
次に津田寛治演じる(厚生労働省医政局研究開発振興課長)
「そもそも出世に無縁な霞が関のはぐれもの、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児…そういった人間の集まりだ。気にせず好きにやってくれ!」
当たってるんですけど、そんな歯に衣着せぬ物言い…wwwおもしろすぎる。

もちろんアメリカも応援にくるんですけど、そのキーマンが石原さとみです。
最終的にゴジラさんには核攻撃を仕掛けるしかない、という結論を世界が出します。もちろん攻撃を仕掛けるのはアメリカです。
矢口率いる巨災対は最後の切り札を準備中ですが、どうにも間に合わなさそう。核攻撃に入るのでアメリカに戻れと言われた情報を石原さとみが矢口に流します。
その時のセリフ
「・・・だからこそ今は戻らない。祖母を不幸にした原爆をこの国に三度も落とさせるようなことを、私の祖国にさせたくないから」
ここにはぐっときました。
庵野監督は広島長崎の原爆のことにも触れていました。この織り込み方が天才だと感じさせます。

世界を守るために日本を犠牲するその決断に対して、巨災対の安田文部科学省研究振興局基礎研究振興課長のつぶやくような「そりゃ選択肢としてはアリだけど…だからって選ぶなよ…」この言葉。理性では分かるんです、でも本心はそうじゃない。
核攻撃をしかければ、石原さとみの言った通り日本に三度目の核が落とされることになる。日本の終わりを告げていました。

ゴジラさんについてキーマンとなる牧悟郎教授が残した暗号を解析するために安田文部科学省研究振興局基礎研究振興課長が全世界に助けを求めます。
その際フランスだったかな?そこで「これは我々の情報が漏えいする可能性があるので断りましょう」というのに対し「協力しましょう。人間を信じましょう。」(細かいセリフは間違ってるかもしれません)というやり取りがわずかにあります。
「人間を信じましょう」という言葉、深いなあと感じました。小さなところにもいろんな表現があり、短い言葉に真意が込められている。

最後の見せ場では沢山の無人機が投入されます。ここもシン・ゴジラの見せ場といえます。
最後の場所は東京駅。
ここも意味があるんだろうなーなんか納得するなと。

この映画にはこんなことが盛り込まれてると思いました。
・日本の官僚、内閣のもろさと対応の遅さ
・災害が起きても一瞬は何事もなかったかのような日常がやってくる日本のお気楽さ
・放射能の恩恵と被害、核の恐ろしさと頼り方
・他国との外交関係
・特にアメリカに弱い日本
・憲法第9条問題

日本は復興に向けてめでたく終わるのですが、ゴジラさんの尻尾がアップされると意味深な感じを受けます。

里見内閣総理大臣臨時代理役の大泉成さんが「避難とは、住民に生活を根こそぎ捨てさせることだ。簡単に言わないでほしいなァ…」
熊本の人達が避難する時にそう思っただろうと思うと、胸が締め付けられそうになりました。
当事者でなければ簡単に言ってのけるんですよ。確かに死ぬよりましだと言われればそうです。でも根こそぎ捨てる覚悟ってないんですよね。
しかも突然にやってくるんです。それくらい弱いですよ、人間は。

災害が、他の逃れられないものが襲ってきたときにその覚悟はありますか?
そんな問い掛けをされている気持にもなりました。

名言ばかりであまり語ってない気がしますけど、何度も観たくなる気持ちがよくわかります。
相方は私を連れていったのを含め4回目でした。
私ももう一度観に行きたいなーと思っています。
まるっと2時間ですが、細かいところを再確認したくなる映画です。

騙されたと思って観に行ってみてください。
あ…もう上映終わりつつあるのかな?