福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2017年10月

2017年10月31日 (火)

ハッピーサウィン!

初めまして。
今年4月からスタッフとして加わっておりました末永と申します。
福岡宝石市場で働き始めてが7ヶ月経ちましたが、毎日が勉強、新鮮な経験の連続です。
まだまだ未熟ですが、持てる力を尽くして皆様と宝石のご縁を繋いでいきたいと思っております、どうぞよろしくお願いいたし ます。

本日は10月31日、ハロウィンです。
日本でハロウィンが大々的に楽しまれるようになったのは最近のことですが、大学時代から古代アイルランド文化に興味を持っていた私に とって10月31日はずっと特別な日でした。
ハロウィンの起源には諸説ありますが、有名な説の一つに「古代ケルト(アイルランドを含む、昔ケルト語を話していたヨーロッパの一部 の地域)文化における大切なお祭、サウィンが起源」とするものがあります。
「サウィン」とはなんぞや?
簡単に言えば正月と収穫祭が一辺に来る古代ケルトの重要なお祭です。
古代ケルトにおける1年の始まりは11月1日。ケルトの人々は10月31日に収穫祭を始め、11月1日に始まる新年に備えます。
1年の中でこの収穫祭~新年の朝の間は異界と人間の世界が繋がっていると考えられており、ケルト人たちは火を燃やして異界の悪い妖精 を追い払ったのだとか。
詳しくはWikipediaの「ハロウィン」のページをご覧ください。
カブで作ったアイルランド版ジャック・オー・ランタンのトラウマになりそうなビジュアルは必見です。

なので私は毎年この時期がくる度に「古代アイルランドではもう新年が始まるなー」と考えながら、行きつけのアイリッシュパブでギネス やアイリッシュウイスキーを飲んでおります。
日本でハロウィンがホットになることには賛否両論あり、マナーの悪い人たちの悲しいニュースも目立ちますが、アイルランドファンの私 としましてはアイルランド起源(らしい)のお祭が日本で広がること自体は歓迎しております。
この調子でセント・パトリックスデイ(3月17日に行われるアイルランドの大事なお祭)もメジャーにならないかなーと思いつつ。

結びに。
私はアイルランドファンでもありますが、大学時代に古典文学を勉強していたこともあり古典、とりわけ和歌が大好きです。
自分のブログを書くにあたって、毎回最後に和歌を一つ紹介したいなと思っておりまして。
本日はこの歌。

【万葉集 巻5 803】
銀(しろかね)も金(くがね)も玉もなにせむに 勝(まさ)れる宝 子にしかめやも

【現代語訳】
銀や金、宝石も、どうして子どもという宝に勝るものになるだろうか。いや、子宝の価値には及ばない。

国語の教科書にも掲載されている山上憶良の有名な和歌です。
憶良は官人(役人)という立場でありながら、一般の人たち(平民)の社会の苦しさや愛情を詠んだ歌を多く残しています。
私は中学生くらいの頃から宝石に強い興味を持ち、以来今に至るまで魅了され続けておりますが……私にも子どもができたら「玉にも勝れる宝ぞー!」と子どもを讃えるようになるのかなあ……と、この歌を思い出す度に考えているのでありました。
初回のブログの内容があまりにも宝石からかけ離れておりましたので金銀宝石に関する歌をご紹介いたしました。
明日から11月です。ケルト的新年の始まり、また気合いを入れて日々のお仕事に励んで参ります。

2017年10月31日 (火)

初めての京都出張と出展~石ふしぎ大発見展

皆様こんばんは~


今日あたりからめっきり寒くなりまして、秋らしくなりました(´Д⊂ヽ
言わずと知れた指がまっちろになりますyo( ;∀;)
なんていっても改善の兆しあるのになかなか身体の水分が抜けてくれず、先生も不服そうでした。
どこまでも水ぶくれのよしだかおり42歳です!

今月は弊社初めての試みであるミネラルショー出展に吉本先生と2人で行って参りました!

石ふしぎ大発見展


いやー京都出張とか初めて過ぎて+(0゚・∀・) + ワクワクテカテカ +
と、そうは問屋が卸しませんで、準備もギリギリ、段取りも不明でもう不安でいっぱいウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!
しまいには「高額商品は手持ち」と言われて…スーツケースでいかなきゃいけないのね(´・ω・`)ショボーン

開催は10月7~9日の三日間。
移動は6日ですが、土砂降りからの始まり始まり…。先行き不安しかない。
京都はそこまで酷い雨ではなく、移動も高額品手持ちのためタクシーで道に迷うこともなし。

会場につきますと、5日から搬入だったのであらかたみなさんスタンバイできている状態でした。
6日は内覧会という名のディーラー会。
業者の方が出入りなさる専用の日なのですね。
私ども何しろ出品するものがコンパクトですので準備もそこまで困難ではなく、アッという間に準備ができました。
しかし現場は行ってみないと分からないもので備品とか諸々使用するに難しいものもあり、レンタルしていたにも関わらず当日にお返しできたりしたので石ふしぎのスタッフの皆様、事務局長の羽森様の臨機応変な対応には頭が下がるばかりです。
その節はありがとうございました。Photogrid_1509449240375※ブースはこんな感じです。

思ったよりも大きな会場でしたので吉本先生と交代で会場内を散策。
ミネラルショーですのでもちろん化石とか鉱物、結晶がわんさか。
一番面白かったのは近くの出展者様で三葉虫の化石を販売されていたのですが、その三葉虫がですよ、立体にくりぬいてあってですね、臨場感あふれているわけです…つまり怖いんです。
節足動物の足がね、うぞうぞと…(;´∀`)
でも面白いんですよ、これが生きていたのかと思うと太古のロマンがね…。
※どんなものか見てみたい方は検索エンジンで「三葉虫 化石 立体」で探してみてください。

お店の方がいらっしゃるときにお話を伺えばよかったと後悔。
お値段はというと、そりゃ立派でした。←当たり前

美しい石を沢山お持ちのジェムエイコー様のところにも出向くことができていろんなお話を伺え、名刺交換もできました。
ありがとうございました!!
ジェムエイコー様さすがのラインナップでした。
私の大好きな昔の色合いのデマントイドガーネットも見せていただけて幸せいっぱい(∀`*ゞ)テヘッ
化石もいいけど、私はキラキラしているものの方がいいなあ~。

私ども初出店だけにディーラー様も興味を持ってくださっていろんな方が初日から行ったり来たり。
内覧会の搬入だけと思ってたのでちょっと焦りました。
準備が終わって何しよう…と思ってたらそんな暇はありませんでした。有り難い限り。
搬入も終わり、なんとなく感じもつかめたので一安心。
この日の夜だけ知人の京懐石のお店へ予約をしておりましたので夜は先生と2人でお世話になりました。

花見小路にあるぎおん楽楽様へ

お邪魔したのは10年ぶりでした。
オーナーが知人なのですが料理長もお変わりなくご健在。
料理長も覚えていてくださっていたので話も弾みました。
お料理に舌鼓を打ちまくり!至福の時間~(*´∀`*)
松茸の土瓶蒸し、松茸釜めし~

Fb_img_1509449337202

※左がオーナーの中田様 右が料理長の鎌田様

松茸も勿論美味しかったのですが、子持ち鮎がとても美味しかった!
吉本先生は鰆西京焼になさったので帰ってからも「鮎にすればよかった」と仰るほどの印象だったとのこと。
イベント前夜祭で英気を養いました。

さてイベント開始の当日は残念な雨模様。
ですが、開場の前から既に15人くらい順番待ちの列ができております。
開場されてからはまるで百貨店の初売りのように走って目的地に向かう方々がいらっしゃいました。
…あれはなんだったのでしょうか?
常連さんの多い業界のようですから、そういった方のために限定○点、のようなお知らせをなさっていたのかな?とも。

当然うちは告知をしていたわけでもなく新参ものですから走ってお越しになるお客様なんていらっしゃるはず…、あれ?うちにわき目も振らず向かってくるお客様がいらっしゃる!
そんなバカな?←
あってました、うちのお客様でした(∀`*ゞ)エヘヘ

吉本先生の教え子さんであるお店の方が内覧会の時に来てくださり、「あそこに安くて綺麗なボルダーオパールいっぱいあったよ」と宣伝してくださったのでした。
和み石様、ありがとうございました。

来てくださるお客様はミネラルショーに出展しているお店をホームページからチェックしているので「初出店ですよね」と言われることもしばしば。
いやーみなさんのチェックする情熱が凄い!
初日は雨のせいで出足が悪かったようですが、それでも色んなジャンルのお客様がいらっしゃり面白いです。

特にジェムストーンがお好きなお客様とはとにかく盛り上がりましたし、うちの商品を気に入ってくださる方、褒めてくださる方、買ってくださる方と出会えるのは現場で実感できる喜びですね。

更に嬉しかったのは「あれ?福岡宝石市場さん?私知ってます。」と言ってくださるお客さまがいらっしゃったこと!!

一番のびっくりですよ!もちろん直ぐに社長へ報告ですΣ(゚∀゚ノ)ノキャー

二日目はうちを卒業していった瀬戸崎さんも遊びに来てくれました!
ジェムストーンを見ていた人間からするとミネラルショーは不思議な空間だったようです。
久しぶりに再会でき、近況報告もしました。
二日目は初日にこれなかった人々が来る、という印象です。

三日目最終日、こちらは買い損なっていないか、値引き商品が出ていないかといった意味での再来場の日のようでした。
初日にお越しになったお客様とまたお話をしたり、新たな情報を交換したりと顔見知りが増えました。
「来年の参加は?」「大阪と東京の出展は?」と聞かれて本当に嬉しかったです。
特にあるご夫妻と巡り合えたご縁には本当に感謝です。
皆様ジェムストーンがお好きな方々でしたのでとても楽しい時間でした。

最初はどうなることかと思っておりましたが、お客様とお話ししながら商品を見てもらうということが大好きな私にとってはとても幸せな時間であり、お店を知ってもらえたことは今回大きな収穫になりました。

そして同業者の方々からも沢山気にかけてもらえたことは美しいジェムストーンを仕入れている確証になりました。

イベントの3日間は走り続けていたので帰りは力尽きたのか新幹線ではぐっすり寝てました。
何しろイベント中のお昼も摘む程度の昼食、お夕飯はお蕎麦といった感じ。
でも京都の美味しいお蕎麦のお店で食べることができたのでそれはそれで楽しかったです。

残念なのは京都で着物を着て散策する時間なんか全くなかったことくらい…。仕事だから当たり前ですね。

そして今回の何よりの収穫は…
私が日本人離れした顔であること、そして異国の人にモテるということです!!!

そんなあふぉなオチが付いたところで、改めて初出展の現場に行かせてもらえたことに感謝です。
お店に来てくださったお客様、石ふしぎのスタッフの皆様、ブースでご近所になった皆様、出展なさっていた業者の皆様、本当にありがとうございました。

またお会いできる日を楽しみにしております♪

2017年10月24日 (火)

「石川暢子の世界」展 

與子田さんが出張の途中に偶然見つけてくださった「石川暢子の世界」展に行って参りました!

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九州で初めて開催されるとあり長期間の開催かと思いきや、なんと6日間のみの開催。
慌てて姪と息子を連れて福岡アジア美術館へ足を運びました。

展示室内は、ブルーを基調にオリエント急行をイメージした演出で、とても上品。

期待に胸が膨らみます。
照明をおとした落ち着く空間を進んでいくと、いきなり想像を超えた作品に目が釘づけになりました。


エメラルドの原石を湖にみたて、ほとりにそびえ立つヨーロッパのお城を緻密に再現した作品は、まるで立体感のある3D絵画!

ヨーロッパの宝飾技法はもちろん日本古来の工芸技術や彫金の技法などを駆使した小さな芸術品の細工に姪と顔をくっつけて見入ってしまいました。

紳士的な案内役がスマートにサポートしてくださって、作品にまつわるエピソードなどを聞かせてくれます。

その紳士が教えてくださった「赤銅(しゃくどう)」。
お城の屋根の部分など、作品の中に必ずといってよいほど使われている黒いツヤのある素材は、日本刀の鍔(ツバ)などに昔から使われていたもの。
「赤銅」とは、銅に金および少量の銀を加えた日本独特の合金のことで、石川暢子さんは、この「赤銅」を好んでお使いだったようです。日本特有の素材を作品の一部に施し、これだけ素晴らしい作品を生み出す石川暢子さんに日本人としての誇りを感じ、ぐっと親近感をおぼえました。

展示の一部には、時代の変遷を表現するかのような作品もありました。
石や黄金を施した日本の古代文化を思わせるデザインでありながら、これまでとは全く違ったモダンな作品が多く展示されています。

また、それはそれはゴージャスな葡萄モチーフや今年の新作(ミモザ)のネックレスが存在感を放っていました。


残念ながら5年前に石川暢子さんは他界なさいましたが、デザイン画(原画)も展示されていました。職人に伝わりやすいようにとデザイン正面図・横面図・拡大図とに描き分けてありました。

そして一番奥の一角には、帳(とばり)を垂らした和の空間が広がっています。
これまでとはガラッと雰囲気が変わります。

立体感やリアルさはそのままに、桜や鷺などをモチーフとした作品たちに見事に日本の風景が表現されています。
源氏物語をテーマとした「黒髪 明石の上」は、亀甲文様の十二単をまとった後ろ姿の長い黒髪の艶めきがリアルに表現され、とても印象的。

これらの表情豊かな作品は、技術を研究し続けた証なのでしょう。

妥協を感じさせない仕上がりは、その追究に応え続けてきた職人がいたからこその完成度なのだと感じます。

その職人のおひとりが、有り難いことに技術を惜しげもなく実演なさっていました。
現在、千葉県市川市に工房があり、14名の職人のうち12人が国家資格「一級貴金属装身具製作技能士」をお持ちなのだとか。
実演では銀板に5ミリほどの桜の花びらを鏨(たがね)で描き、花びらの先に模様を施していく行程を披露してくださいました。
細やかな彫金ひとつにも数種類の鏨を使い、表面に独特の風合いが描き出されます。

職人さんあるあるを伺うと、実は作品の彫金工程よりも道具の鏨を作る工程の方が大変なのだそう。
デザインに忠実な表情を作り出すための鏨を自作しているらしいのですが、それがとても時間がかかる作業なのだそうです。

職人さんの手元には数十本の鏨がありましたが、一見同じものに見える鏨の小さな先端は細かく違っていました。
時間をかけて手塩にかけて作る鏨だからこそ、すぐに見分けもつくのでしょう。
誰をも魅了する作品の完成度の高さは、職人さんの見えない苦労があってこそなのだということを知る貴重な機会でした。

今回の展示会は、まるでアンティークに囲まれた豪華列車で、夢の世界を通り抜けているような贅沢な時間でした。


案内役の紳士が最後に教えてくれたのは、剣のモチーフで作られた小さなブローチが、実際に鞘(サヤ)から剣を抜くことも出来るほど精巧に作られているとか。

施されている宝石や絵画のようなデザインの素晴らしさは勿論ですが、そのデザインを忠実にかつ絶妙な質感に仕上げる職人技術の凄さに感銘を受けました。

姪は、最後に新作ミモザの前で「やっぱりキレイだな~♪」と呟いておりました。

まだご覧になられていない皆さまには、機会がありましたら、ぜひ一度はご覧いただきたい逸品でございます。

ご参考:NOBUKO ISHIKAWA公式サイト

http://nobukoishikawa.com/about/index.html