福岡宝石市場スタッフ・ブログ

2018年12月16日 (日)

ミャンマーのモゴック鉱山

今年も残りわずかとなりました。
クリスマスや年賀状の準備、大掃除にと忙しい時期ですね。
 
さて、数ある宝石の中でも人気の高いルビーの鉱山に関する臨場感溢れる記事をみつけました。
 
私たちもお世話になっている鑑別機関の中央宝石研究所さんが、2014年にモゴック鉱山の視察に行かれた時の情報です。
 
ミャンマーにあるいくつかの鉱山の中でも最も代表的なモゴック鉱山。この鉱山には300以上もの大小の鉱山があるそうです。
昔は英国に統治されていた時代があり、その頃の採掘跡が今では広大な湖になっている風景には歴史を感じます。
 
モゴック地域の居住者は、1960年代には6000名程度でしたが、現在では30万人程度とかなり増加しているようです。この居住者の増加は、政府による宝石取引自由化が要因だと考えられているそうですが、やはり人を魅了するルビーの威力が原因ですかね。
1990年代、それまでの様々な規制が緩和。今では宝石の個人売買と輸出入が可能となり、外国人による商取引が盛んとなっているようです。
また、モゴック鉱山の採掘方法は、伝統的な手法から重機を用いた近代的な方法まで採掘方法に違いがあるようです。
 
【規模の大きい鉱山】
 
・一般的にオープンピット法と呼ばれる地表から土を掘り返す手法
 
・重機や火薬を用いて大理石の母岩を直接採掘する手法
 
【大多数の規模の小さな鉱山】
 
・twin-lonと呼ばれる丸い穴をあけて谷底の堆積物を採掘する手法
 
【大理石のカルスト地形】
 
・lu-dwinと呼ばれる大理石の浸食によってできた空洞や亀裂に集積するルビーを採掘する手法
 カルスト地形特有のこの手法は、洞窟に入らなければいけないので、かなりの危険を伴うのだそうです。
 
西部のBaw Lone Gyi ルビー鉱山では、選別後の廃石の中から宝石を探すことを村人たちが許されており、見つけた者の所有とすることができるそう。白い大理石の中から見つけたルビーやスピネルは、オープンマーケットで販売されているようです。廃石の中から宝石を見つけられたら嬉しいでしょうね。参加してみたいものです。もしかしたら、その中にも素敵な宝物があるのかもしれません。
 
実際、現地の環境や文化などを詳しく知ることで、ルビーの色味や輝きにさらに深みを感じるかもしれません。
 
マーケットの風景も紹介されておりますので、ご興味のある方は下記URLからご覧くださいませ。
 
CGL通信 vol26 「ミャンマー、モゴック鉱山視察報告」
http://www.cgl.co.jp/latest_jewel/tsushin/26/39.html